ゆりかごのいてる丘から

雨が降り続いている。雨の楽しみ方を模索してみようと思う。

まずはゲーム。3時間ばかりプレイした後、大いに時間を無駄にしたと自覚できるような、シンプルかつ生産性のない無機質で心の機微が少ないものがいい。テトリスですね。今まさにやってます。一服して、またリスタート。仕事から帰り、風呂も飯も取らずに、画面の隙間をただただ埋めていく。心は反比例するようにただただ空虚。ああ、何してんだろう。洗濯物たたもうと思ってたのに。とりあえず風呂に入んなきゃな・・・

言葉遊びに数学的理屈を取り入れるという発想なんてなかった。嫌いだったから数学と理科。数Ⅰ.Ⅱ.A.B、生物。すべて高校の頃赤点取った教科たち。今思い返すと、嫌いっていう先入観にとらわれていたような気もしている。今の仕事なんてモロ理系なのに。毎日計算ばかりして、乳化だのphだのと数値とにらめっこ。

話が逸れた。発端は高2の頃聴いたRADWIMPSだった。バイトの休憩中にしばしばTSUTAYAに立ち寄って、CD借りては家でMDに焼くという少しひねくれた(金がなかった)音楽探索をしていた。CD高すぎませんかね。グングン話が逸れる。その中のひとつに当時流行っていたRADの3と4。そこに最大公約数という曲があった。歌詞の内容は、まあ要は君と僕が割り切れる最大限の妥協・理解点を探そうよ的なもんで。コレ、僕の当時の先入観を大いに破壊してしまったんです。文系・理系とは、互いに区切りあい、混じり合わないものだと思っていたものですから。僕は国語・社会・英語が得意で、数学・理科が大嫌い。文に理を持ち込まれたんですよ。くだらねえとか思うでしょ。でもそうなんです。事実なんです。あまつさえ面白いなとか思ってしまった。今思い返してRADを聴いてみると、演奏レベルの高さにも驚く。リフかっこいいもの。メロディもいい。バンドとして単純にレベルが高い。耳障りが良い。あの頃は歌詞しか聴いてなかったもんね。気付きようもなかったこと。

なんか音楽の話がしたくなった。初めて買ったCDはミスチルのBOLEROってアルバム。おじいさんにポータブルCDプレーヤーを買ってもらい、CDショップであれこれ考えた中から選んだのがこれ。当時僕は太鼓の達人にハマっていて、そのラインナップにシーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜があり、こいつが入ってるやつにしようと3000円もかけて買ってみることにしたのだった。これがね、未だに聴くもんだからあの時の自分のセンスは間違ってなかったと思うのよ。最初はもちろんシーソーゲームしか聴かんのよ。傘の下の君に告ぐまでいかんのよ。次に聴いたのはTomorrow never knowsだ。いい曲だよな。母がこの曲知ってるっていうから聴いてみたらすごい良かった。3000円もしたんだし、こうなったら一回全部聴いてみようと思い立ち、1曲目、最初っから聴いてみたのだ。ボレロ以外全部好きになった。この曲はねえ、暗いっていうか壮大過ぎるというか、なんか受け入れがたい雰囲気があった。あの頃は「なんかきらい」としか思ってなかった気がするけども。

1番好きなのはEverything (It's you)か、幸せなカテゴリーです。すてーーーーーーーええーーへーーーってやつです。幸せのカテゴリーは曲の雰囲気も詞も大好き。ギターもベースもいい。楽器がとても良い仕事してる。ただの失恋じゃない、もうほんと大きなお世話ってな詞の内容がね、心の表面をナイフで撫でるんよ。チリチリと。

“恋人同士ではなくなったら 君のいいとこばかり思い出すのかなあ? 当分はそうだろう でも君といるのは懲り懲り”

ですよ。ああああああああああああ。死ぬ。穴という穴を己がパーツで埋めつくしたい。バラバラにして。

通した聴いて思ったことが、暗いな。ってこと。でも反対に、当時2003年頃のミスチルってのは明るいっていう印象を持っていた。僕は。ていうか明るいやつが聴いてた。ドラマタイアップとか多かったからだろうか。そこにギャップというか違和感を覚えずにはいられなかったのだ。今考えると「バンド感」が薄れていったように思う。ロックバンドからポップスにモデルチェンジしたのだ。このことが良いのか悪いのか、ファンも大いに思い悩むところだろう。僕は、クソだなと思うよ。桜井さんが貼りついたようなニコニコ顔でエモーショナルに歌い上げてるの。曲の構成っていうかミックスも、頭悪くなりそうなシンセが中心に移行していってる。逆に歪んだギターはほぼほぼ聴こえない。しかし曲の構成は元々AメロBメロサビの王道J POPスタイルだったから、そこまで大きな違和感ではない。結局ソングライターの桜井さんと、プロデューサーのコバタケによるところが大きいのだろう。意識が変わったんだろうな。どっかで。面白くない。でもいいのだ。アーティストは彼らだけではないのだから。気に入らなかったら別のを聴けばいい。残念だなとは思うけど。しょうがねえ。

すっっっごい話を戻すんだけど、最大公約数って言葉を聞いたの、もう一個あったわ。ハルヒだ。キョンがモノローグで言ってた。「宇宙人や未来人や超能力者が〜〜でもどこかにいたらいいなあという最大公約数的なことを考えるようになった」って。多分RADの時はスルーしてた。このキョンの独白で「そういえばRADのアレも」って気付いたのだ。多分そう。それだけ。あとらもさんの本でも見た気がするぞ。男はみならもさんを読むべきだ。そして憧れろ。大人を、老いを楽しめる男であれ。まずは「今夜、すべてのバーで」で、モラトリアムを卒業するところから、是非始めてみてほしい。