やだね

「推し」

 

「推し」という概念がどうも苦手なんだ。なぜか?

 

好きなものを好きと共感しあえるのって嬉しいし、素晴らしいことだと思うのだけれど、

King Gnu良いよね〜井口マジ面白いし、ベースの人お洒落だし、ドラムの人もお洒落だし、常田は顔がイケメンで〜推せる〜〜」

みたいな常田の長所を顔だと言う女とKing Gnu好きなんだと話が合っても、共感なんてクソ程も感じないじゃないですか。King Gnuの魅力っていうかヤバさが何かって、圧倒的に作り込まれた完成度と説得力に「あ、俺たちはあいつ(常田)について行くしかねえんだ」って打ち負かされてしまって、気が付いたらもうヌーの群れの中・・・何が恐ろしいって確信犯でやってるのを隠そうともしないところですよ。何がKing Gnuよ。そういういけすかなさも、もうええ、もうええ、完敗です。ってなくらいのもの。ああいうバンドがアンダーグラウンドからいきなりポンと出てきちゃうトーキョーって街、凄いね。セルフプロデュースで好き勝手にやってバチボコに同業を駆逐っていうか、歯牙にも掛けない感じだったのを覚えてる。LOVE MUSICとか、何だったかな、TENDOUJIとかと一緒に出てた番組があったよな、バズリズム、いや違うな、忘れた。まあその中で、同じシーンで活躍する盟友って形で2バンドが出たわけだ。他にもいたかもしんないけど。それでTENDOUJIが、悔しいけど、King Gnuと俺たちは比べられない次元にいて、それがたまらなく悔しい。ムカつく。でも滅茶苦茶好き。って内容を涙交えて語ってたのだ。同世代のしのぎを削り合うべき相手にそんなこと言えないよ普通。実力を認めさせた上で好きと言わせる説得力。メンバー当人のみの実力が大いに作用されるインディーズというフィールドでは、比較対象がないくらい無双していたのだ。

話が脱線した。つまるところ俺は、同じコンテンツが好きであることそのものではなく、そこにある意志や背景やその理由を共感したいのだ。アーティスト自身はそうだが、お前のそれを共感し合いたいのだ。常田の顔が良いことは否定しない、が、それをおかずに共感し合うにはちょっと弱いし浅過ぎるよな。

そう、弱いのだ。「推し」という概念は。意思も背景も理由も。なぜ深堀りしないのだ。好きな人の好きなものって気になりませんか?どうしたら喜ぶか考えませんか?曲からメッセージのように聴こえませんか?コード進行、楽器の音色、歌詞、構成、メロディとか何でもいい、リスペクトを感じませんか?お金や時間を使うのはいいさ。アーティストも潤うし。でもその人を深く知ろうともしないでさ、金と時間使ったからそれでいいよね?って論理はさ、成り立つかもしれんけどちょっと危う過ぎやしません?なんか俺はパチンコでもしてる方がまだ自然な気がするよ。分かりやすく多幸感浴びれて、たまにリターンもある。

ファンが買い支えること前提で金をまかなってる阿漕な商売を「アイドル」と呼んだりするのだろうか。あかんのよ、「インフルエンサー」とかさ、この世で最もしょうもない職業の人だと思ってるからさ。職業に貴賎なしとは言うけどさ、アレだけはマジでいなくなっても誰も困らないと思うんだ。もう広告なんてYouTubeとマンガアプリで散々見飽きてるんだ。広告が服着て歩いてるようなもんだぞ?わざわざCM観たいか?

いや待て、わざわざ観たいCMを目指した結果がインフルエンサーなのか?ん?ちょっと存在意義出てきちゃった???やるじゃないか広告人。ひとつ勉強になった。自己解決しました。

あんな論理的でフィジカルの強い曲を作ってみたいものだ。最近はちょっとアレだけど。出来るならアーティストとしてのエゴをもっと存分に出したものを聴きたい。常田が一切人に媚びることなく俺についてこいと尖りに尖りまくる世界線も、あったら観てみたいなと思うがね。