セミの鳴く声と

裏庭で草刈機の音が響いている。雷も鳴っている。部屋に据え付けのエアコンはゴーーーと部屋全体を振動させる。時々バイクが通り過ぎる。もはや時計のチクタクすらも騒音。わたしの自律神経は夜勤でやられている。人間は夜眠るように出来ている。

先日は雪が降った。2センチばかり積もっていた。目覚めにパンチ食らわせるかのように、首から上が凍りつくような寒さだった。顔専用の布団なんてないものだろうか。頭寒足熱などぬるい。いや寒い。

しかし人間の体温は36℃前後が正常だというのに、なぜ気温が36℃ともなると、命に関わるような症状に見舞われるのだろう。36℃の湯に浸かると、ぬるく物足りないのだろう。難しい。その雪が積もった日に、アパートの階段で、きれいなセミの死骸を見つけた。気温は-3℃。到底セミが殻を破り、飛び立てるような気温ではない。冬にセミ。雪にセミ。この奇妙なアンバランスさに、一抹の喜びめいた感傷が押し寄せる。なんかちょっとレアなもん見たわ的な感情だけでない。なんだか俺は嬉しかったのだ。今すぐにでも自慢したい。雪が降り注ぐ厚手のジャンパーの肩に彼の骸を乗せ、街中を闊歩してやりたい。手に取ると予想外に軽かった。そのまま雪の上に放り投げる。羽は微かにもバタつくことなく、雪にめり込まれていった。なんか、“そんな”気がしたのになあ。

俺はパチンコ台になりたいんだよ。そう言った漫才師があった。年末にあった漫才頂上決戦のその動画を、もう10回以上は見ている。思い出すたびに見たくなるのだ。たまらん。でもレーズンパンが見た目で損してるかというと疑問だ。あいつは味でも損している。ただのコッペパンでいい。レーズン抜きのパンでいい。ブドウは干さなくていい。だが北海道マルセイバターサンドのレーズン。なぜだかな、おまえだけは嫌いになれんのだ。発酵臭もニチャニチャ感も、おまえのソレだけは愛せる。好きな女の子のソレの味と匂いは愛せるようなも・・・ごめんなさいもうやめますこんなこと書くの。

寝れねえ!寝方忘れた!羊で部屋いっぱいだよもう!次はペンギンでも数えるか・・・