140文字で簡潔にまとめられた情報

文章の基本は「わかりやすさ」である。「読んでわかる」のでなく、「見てわかる」ようにしろ。良い文章=わかりやすい文章である。と、口を酸っぱくして言われた学生時代。マスコミ志望だった僕は、とある名ジャーナリストの「魂を削って書いたようなアツい文章」に憧れ、それじゃあかんのや!これしかない!と血を滲ませて断言するような論調を好んだ。小論文の授業は僕のコラム発表会。テーマはだいたいが時事ネタだったので、新型インフルエンザ(懐かしい)や、WBCでのイチロー(伝説)がどうたらを書いた記憶がある。年齢がバレそうだ。精神(こころ)がパンクロックだったので、まず新聞やニュースでの方向性の批判から入る。まず否定から始まる。起承転結などクソ喰らえ。とりあえず否定して、自分の感情を吐露するように書き殴るのだ。でもなぜか先生は、僕の駄々文をよく褒めてくれた。褒めた上で赤ペンはやたら引かれるんだけどさ。でも嬉しかった。授業中に完成させて添削持ってくる人が僕しかいなかったからかもしれない。その辺は一生懸命なやつだったのよな、僕。

しかし現実世界では口下手で、まともな自己表現が出来なかった僕。mixiやモバゲーの日記では随分と多弁な僕を同級生は「調子乗ってんじゃねえ」と蔑み、罵った。「現実でやってみろや」。もっともだ。あの頃の日記はすべて削除してしまったが、感じた悔しさだけは消せずに引きずっている。未だにそうだもんなあ。言わなきゃいけないことをぐっとこらえてしまうから蟠りになるのに。言いたいこと言って生きていきたいよ。ネット弁慶など卒業してしまいたい。

というわけで、今言いたいことを今しっかり表現したいと思います。風俗の話をします。

これまでの記事では、「ピンサロ」、「ホテヘル」、「新地」といったエロ産業の業態を紹介してきたが、本日は風俗においてよくいわれる“当たり”や“外れ”について説明していきたい。男達は何をもって彼女らに当たり外れを付けているのか。顔か?スタイルか?もてなしか?

初めに前提として、嬢のレベルは外見・内面・サービス共に、「払った金額に比例する」ということを覚えておきたい。対価に見合った結果がしっかり出る。僕の知り合いにTという「激安ホテヘルで風俗嬢ガチャを引く」のが趣味の人がいる。一度一緒に深夜の梅田でエロを求め、60分8000円のホテヘルに入ったのだが、正直思い出したくないし、なんなら「二度とホテヘルなんて行かねえ」と思うほどのクソ体験をした。思い出しながら書いてみるので、“外れ”の一例として読んでほしい。

ミナミでTと大いに酒を喰らい、ほら酔った僕は既に終電がないことに気付く。俺ん家泊まってけやとのTの申し出に乗り、ほな、まだいけるわなとコンビニで酒を買って、ガードレールに寄りかかってエロ話に花を咲かせ、件の「激安ホテヘル風俗嬢ガチャ」を引いてみようということになった。マジで失礼だなこのゲーム。彼のホームグラウンドである梅田なら、まだ開いてる店を知っているとのことで、タクシーに乗ってキタへ。車が動き出した瞬間に気持ち悪いと彼は言い出し、梅田へ着いた瞬間に彼は一発排水口向けてゲロった。あースッキリしたわ、もっかいスッキリしに行こかーゆうて、やまかしいわ。

ネットで調べると、3つほど営業中の店が見つかった。その中で1番安い、60分8000円の店へ向かう。ボーイさんは写真を3枚出し、この子たちが出勤中ですと言う。僕は25歳でGカップの茶髪ギャルを。彼は42歳(!)の女性を選んだ。冗談かと思ったがマジだ、この人は。待合室に入った瞬間、彼は僕にこう言った。

「あんなあ、ゆきち、こういうとこの巨乳は地雷やで〜」

嘘だろ、いや、そもそも、42歳をわざわざ選ぶって何??????どゆこと??????頭の中に「?」を満たしながら、嬢の到着を待った。

カーテンの向こうには、茶髪の朝青龍(♀)が、あくびしながら腕を掻いていました。

最悪や、楽しかった今日の夜が台無しだ。25歳?明らかに30は越えてる。肌汚ねえ。てめえ絶対さっきまで寝てたろ。髪の毛ちぢれてるし、それに、このお腹、妊婦さんなんじゃねえかと疑うくらいの肥満体型。息子がやる気を失い、下腹部が気持ち悪くなるのを感じた。え、僕、今から、この人と、するの?

ホテルに着き、とりあえずベッドに座った。嬢も座り、ぼりぼりと腕を掻きながら「ねむい、だるい」としきりに繰り返し呟いている。僕の側頭部に血管が浮き立つ。落ち着け、ここでイライラなんてしたら二度と息子がやる気になどならない。もう金は払ってしまった。しかもあのボーイ、深夜料金やら指名料とかいって、合計で10500円も。とりあえずあの対価を回収しなければならない。どうすればいい?まずはこの嬢をやる気にせねば、サービスどうのこうの言ってられん。おそらく年齢は僕の少し上くらい。見た目的に多分この辺が好きだろうと、初期エグザイルの話を振った。

「あ〜懐かしい〜!そう、好きだったな〜清木場〜」

よし!ということは・・・!

「そうそう〜!今なんてもう何人いるかもわかんないし〜あの頃は良かったナ〜」

完璧に彼女の心を掴んだ僕は、とりあえず服を中途半端に脱がさせ、豊満なバストだけ露わにし、たゆんとしたお腹は服とシーツで隠した。これなら・・・!そう思った瞬間に息子が息を吹き返した。逆転だ。俺ってばもう、この色男!安くないお金払ってまで俺は何しにきたんだろうと自問の横槍が入るが、今はこの不良債権を回収せねばと、目の前のエロに一点集中する。息子に顔を近づけた彼女から、それなりのやる気が伺えた。がんばれ!がんばれ!名も知らぬ嬢よ!

全てが終わって、Tと待ち合わせたコンビニで水を買った。一口含んで、一仕事終えた疲労感とともにベッ!とアスファルトに吐き出す。Tが来た。もう絶対このガチャは引かねえ。なんならホテヘルおもんねえ!無駄金でした!と、矢継ぎ早に僕は捲し立てる。

「そうか〜俺はB専やからな〜結構満足したし、当たりやったわ〜」

ええ、あんた、42歳の嬢をわざわざ指名して・・・ええ・・・?

「歳いった嬢はな〜逆にあんま外れないんよ。高齢ってだけで店からの信用は得られにくいし、普段指名もほぼないから、指名したら一生懸命やってくれるで〜。こっそり本番もさせてくれたしな」

は、はあ・・・勉強になります・・・。

「ま、下から見た顔は、オカンとやってんか思ったけどな。ははははっ!」

その後、Tの家に向かい、時計を見たら朝5時。まあまあ、パチンコでも打って気ぃ晴らそうやと、彼は言う。4時間ほど目をつぶって、開店から並んで打ったパチンコで、1万円負けた。財布も心も、ただただ寒い・・・。夜の世界には、僕の知らないことがまだまだいっぱいあった。

 

これはいけない、“外れ”のエピソードだけで終わってしまってしまいそうだ。やはり何でもそうだが、投資をケチれば、それなりの結果しか生まれない。容姿が悪いのはまだしも、サービスが悪いのは本当に損した気になるし、気分が悪くなる。

しかしこれは、ある必然に則った結果なのである。女性がそういう店に入店するにあたり、まずその容姿に見合ったレベルの店舗に入れられることが大半だ。そこで良いサービスが出来て、それなりに指名が取れれば、さらにステップアップしていく。店にも重宝される。より稼ぎの良い高級店への斡旋もある。反対に良いもてなしが出来ない、容姿が良かろうともサービスの悪い嬢は固定客が取れない。クビにされ、入店ハードルの低い薄利多売の激安店へ行かざるを得なくなる。激安店にも良い容姿の嬢が一定数いるのはこういう理屈だ。もちろん例外はあるだろうが。

キッパリいうと激安店は、性のプロとしての意識が低い者の行き着く先なのだ。何か理由があるからそこにいるのだ。そんな掃き溜めのような場所で働く彼女らもまた、なんらかの事情があってそこにいる。生きた人間である。そう思えば、この僕の苛立ちも喪失感も、多少は救われる、気がする。いや、やっぱり僕は、そこそこお金出して良いサービス受ける方がいいや。せっかく楽しみに来てるんだもんね。

反対に高級店ってのはどうなのか?僕は高くて3万円程度の準高級店?くらいのところしか経験がないが、今度はそれについて書いてみようと思う。今日はもう疲れた。思い出すだけで疲れた。また、エロの世界で会いましょう。おやすみなさい。