政治的判断

会社の専務に「お前は政治的判断てものがないなあ」と言われた。わかっててやってんだよクソと思った。

多分会社での俺は、そこそこ仕事して、そこそこ人付き合いあって、抜けてるけどどうしようもないやつではない、くらいの立ち位置だろう。俺はそんくらいがいいと思ってやってきたし、これからもそうだろうと思ってた。別段上昇志向もないし。

うちの会社は都会の外れの片田舎に建つ、一族経営中小企業のザ・村社会てな感じのものだ。管理職はだいたい名字が同じだ。マンパワーで成り立ってきた力技企業である。

俺は考えている。ここに未来はあるのか。ここに自分の人生の半分以上をつぎ込んで生活を成り立たせられるのか。俺に武器はない。誰かと戦う剣も、自分を守る盾もない。レベル上げをサボったまま進み、中盤のステージで詰みかけてる哀れな冒険者である。

前職をクビ、まあ追いかけていた夢が破れてから4年、俺はずっと逃げ続けている。救いは今日もない。必死で目の前をかき分けて、這いつくばって、生活を維持している。金銭的援助を受けずに1人で暮らせているのは満足している。が、この暮らしもずっとは続かない。いや、続けたくない。その場しのぎは疲れる、地に足をつけて暮らしたい。仕事に8、9割のエネルギーをつぎ込んで、家に帰れば飯食ってマスかいて寝るだけ。

目標が欲しい。踏み出すための目標と、勇気が欲しい。大きな夢はもういらないのだ。5年先、俺は何してる?薄ーく見えるっちゃ見える。この会社に居続けているとするなら、また何らかの転機があったのだと思う。

結婚、それもいいな。刹那的に生きるのはもういらん。人の営みの中で、地に根をはって生きていきたい。根ざした足から感じる熱で、血はいつまでも沸騰させていたい。よし、気合い入った。