無駄はある
大学の同期5人で飲みに行った。僕が餃子が食べたいと言って、J太郎がなんばの美味い店を予約してくれたのだが、言い出しっぺが1時間強遅刻してしまったのだった。20時半集合だったにもかかわらずだ。申し訳ないと思っている。
遅れて僕が店に入ると、思ったよりみんな暖かく迎えてくれた。どうやらJ以外全員が遅刻していたらしい。15分毎に1人増えていき、最後に僕が現れ、晴れて5回目の乾杯コールが鳴り響いたのだった。いわゆるひとつの労働災害みたいなものだろう。
僕が来るまで何の話をしてたのか聞いてみた。まっちゅんのセックス事情と、難波秘○倶楽部についてだった。いいネタだ。彼のセックスは至ってノーマルで何かに例えようがないから伝えられないということだった。まあ自分の彼女とのアレコレを人に話すというのは気がひけるものだろう。逆に、自分の彼女がこんな場で「平日は誘っても無駄。ヤっても15分だし」とか、「乳首弱すぎてさ、シャツの上からこするだけで声あげてよがっちゃうの」とか宣っているのを想像したら、羞恥のあまりその辺の穴という穴に、耳なりペニスなり引きちぎって投げ込みたくなっちまうね。プライバシー?コンプライアンス?はて?
「まっちゅんはアレやろ、スイープするんやろ」
「なんで?スイープやねん」
「こう(左指をうねうね)いう感じ」
「超絶テク持ってるんやな」
「ずっと俺のギターソロ!みたいな」
「ちゃんとセッションしとるて」
「俺はちゃんとJ-POP奏でとるで」
「どういう意味や」
「Aメロ、Bメロ、サビ、しっかり構成してるゆうことや」
「やるやん秀逸」
「やっぱヤマは作りたいよな」
「USオルタナみたいなどこがサビかわからんようなやつはあかんで。飽きよるからな」
「やっぱJ-POPやな」
「でもやっぱ『死ぬ…』って一度に一回は思わせたいねん俺は」
「尽くすタイプやな」
「それなんかちゃうくない?」
「スポーツみたいになってまうやんか」
「いやセックスはスポーツやで」
「いややっぱコミュニケーションやからやな」
「お前はずっとスラップやろ(右手フリフリ)」
「さっきからほんまくそしょーもないて」
「まっちゅんを一回風俗に連れて行きたい」
「俺は、絶対遠慮しとくわ」
「固いな〜3万払ってケツ責められてきてーや」
「ローションあったかくてめっちゃええで」
「3万は高すぎるわ」
「でも値段と質は比例しよるで。60分1万円以下の店なんかはサービス鬼悪い」
「待合室におる客層も、人生捨てましたみたいな風貌のおっさんばっかやしな」
「秘○倶楽部の待合室、ピカピカやし客のモラルもめちゃええ感じやったで」
「今度は普通の風俗も行ってみたいわ」
「任せとけ。電車でGo Goやで」
「擬似痴漢電車のアレやな」
「まっちゅんも行くやろ」
「楽しそうやな〜」
「行かんやつやわ」
思い出せる範囲で書いたが、誰がどう喋ったかもあやふや。はっきり覚えてるのはJ太郎、この中のひとつしか喋ってないゆうこと。むっつりJ。「3万は高過ぎるわ」いただきました。