以前会社の主任が、冷えピタおでこに貼ったまま朝礼に出てきた。社長に取れと言われたが、本気顔で「これ取ったら頭熱くて思考が止まる」旨の返答をして周囲のささやかな顰蹙・苦笑いを買っていた。何が彼をそこまで駆り立てるのだろうか。立場上の責任感ゆえなのだろうか。年功序列というのも考えものだ。

 

数年ぶりに冷えピタを貼っている。たしかにこりゃ良いものだ。ここ最近詰めすぎたらしく、頭痛から始まり、首、肩、背中と、もはやどこが痛いのかもわからなくなる程の痛みでのたうち回っていた。一旦仕事に行ってしまえばなんとかなるので、朝ベッドから這い出て、無理やりパンを飲み込み、倦怠感を全身に巻きつけて愛車に乗り込むのだ。俺もまた、何に駆られているのだろう。ズバリお金。金だ。どうにも金が必要なのだ。休日出勤の要請など9割断っていたが、3月ほどからすべて受けるようにしていた。じかんがいきんむてあて、おいしいです。理由は、まあ、家庭の事情。

 

そんなこんなで、後輩のバックレ、ちんかす主任との闘争、長距離運転など、心身に染みるストレスも積み重なったせいか、ついに熱をあげたらしい。体温計に表示された37.4という数字を見ながら、ちょっと無理してたのかなとちびり反省した。

 

とはいえ、男には多少の無理を通さなければならぬ時があって。理屈ゆえに、理屈を越えなければならなくて。大丈夫。心はまだ丈夫だ。4年前にはポッキー程だった心の芯は、今や木製バットくらいにはなった。扱う腕前次第で、ランディジョンソンの球だってバックスクリーンに弾き返せる。上質なアオダモなんかじゃないけれど、ひとつひとつ己が手作業で研鑽した自慢の一品だ。俺は負けない。克つのだ。他でもない自分自身に。

 

まあ、要するに、風邪ひいたけど頑張るぞってハナシです。